店主「しちべえ」とShinatomyについて
Shinatomyを運営しているしちべえと申します。
2022年3月に大学を卒業。
現在は人体モチーフ通販サイト「Shinatomy」を運営する個人事業主として活動しています。
1.しちべえ(人体モチーフオタク)が生まれるまで
最初のきっかけ
最初のきっかけは、小学生の時にテレビで見たエジプトのミイラだったと思います。
何故か?と言われると正直回答しにくいのですが、当時の私は「他の人があまり興味を持たなそうなものに触れたい」という好奇心なのかそうではない欲求があったからだと推測しています。
もし当時の私が「そんなもの見なくていい」と両親に言われていたらまた人生が変わっていたのかと思うと不思議です。他人と違う、それが自分にとっての主張の仕方だった幼き日の私は、個人の好みを否定せずに尊重してくれた両親のおかげでなんとかここまでやってこれたのかもしれません。
そこから誰しもが必ず迎えることになる死そのもの、そしてその象徴である人間の骨に興味を持ち始めました。中学生の頃の私は所謂厨二病的なものだったので、なんとなくそういうものがかっこいいな〜くらいの気持ちで。あとデスノートを読んだのもこの頃でした。そこから年齢を重ねていくと、今まで見えてなかった人間の側面を痛感するようになりました。見えていなかった、というより気にしていなかったことが気になるようになってしまったの方が正しいかもしれません。
ちょっと暗い場所
※以下、少し暗い表現や希死念慮について記載している部分があります。苦手な方は3.人体モチーフオタクの転換期まで飛ばしてください。※
特に死や骨に興味関心を強めたのは高校生の時でした。理由は単純で、自身の人生そのものを終わらせようとしたからです。たった3年間の環境や出会う人によって元気だったはずの人間が明日を迎えるのが嫌だと思うまで変わってしまうのかと感じた記憶があります。自己中心的で高圧的な人間によって抑圧された環境を抜け出せる卒業式ほど嬉しいものはありませんでしたが、この時に生まれた希死念慮は今尚自身の中に残り続けています。私にとって希死念慮というのは、無くすものではなく共存するものです。なので、この思いを少しでも減らせるように人生に対するハードルを下げました。そのため今の私のスローガンは「毎日70〜80%くらいで生きること」です。
また骨に強く惹かれたきっかけは、過剰なまでに人の目が気になり始めたからです。気持ち的に明るくない時は、自分のことも肯定的に見れなくなります。自分のことを醜いと思っていると、隣の芝生が青く見えたりして。メイクや整形などいろんな手段がある中で、それら全ても面倒くさくて、嫌になって。一方でどんなに顔を彩っても、死を迎えると骨になれるのはいいなあと思ったりしていました。遺骨を宝石等にすることもできると知ってからは、骨にさえなれればキラキラして綺麗になれるんだもんなという思いもありました。
そこから無事大学進学を果たし、好きな格好で日々を過ごせるようになりました。誰に何も言われず、好きなものを好きなだけ表現できるのは学生時代の地獄を覆す天国のような存在でした。そんな4年間の大学生活の間で私の人体モチーフ生活や人生への方向転換をするきっかけが3つありました。
2.人体モチーフオタクの転換期
①人体モチーフを主に描くクリエイターさんとの出会い
2019年の3月。今まで骨や心臓などそういったモチーフが好きだなとは思いつつ、「これらのジャンルの総称はなんだろう?」とずっと思っていました。というのも、こういうのが好き!とはわかりつつ、キーワードが分からないと検索するのが困難だからです。
そんな中で出会ったのがまくらくらまさんというクリエイターさんでした。この方は骨や臓器等のモチーフを主に描くクリエイターさんで、アンティークな雰囲気漂う作風が特徴的です。SNSで個展のお知らせを見たのがきっかけでしたが、あまりにも作風と世界観が刺さりすぎて勢いに身を任せて個展の会場である大阪行きのチケットを取ったくらいです。
その方の個展に足を運んで気付いたことは沢山ありました。自分は骨や臓器をモチーフにしたものが結構好きだということ、明るい雰囲気ではなくアンティークや暗い雰囲気が好きだということ。そして自分の好きなものの名前が「人体モチーフ」や「anatomy art」と表現されること。ここから、自分の趣味がより追求されるようになったことはかなり大きいと思います。
ちなみにこちらのクリエイターさんはShinatomyのロゴを作ってくださった方でもあります。大好きな方に作ってもらった(無論有償で)ロゴでお店を運営できるのは、私にとっての大きなモチベーションともなっています。
②イギリスへの短期留学
2019年の8月。大学内のプログラムで2週間の短期留学を行いました。理由は単純で「海外に行ってみたい!なんかかっこいいし!」というもの。語学力向上というより、人生経験を増やすのが主だったわけですが、ここでも沢山の変化がありました。
1つはマンチェスター観光。留学プログラム内のバスツアーで行きましたが、友達とは別行動を取ってGoogleマップ片手に1人でうろうろしました。その際にscience museum内の物販コーナーで脳みそが描かれたトートバッグを見つけた時は痺れました。東京にある化学博物館に足を運んだことはありましたが、こんなにインパクト大なアイテムは見たことがなく…。お気に入りすぎて今尚使っているのですが、これを持ち歩くと気分が上がるので最高です。(この数年後、もう一度🇬🇧に足を運び同じ脳みそトートバッグをお迎えすることになります)
もう1つは街中の人たちの光景です。特に印象的だったのがスーパー等の店員さん。留学中によく利用していたスーパーの店員さんが金髪&たくさんのピアス&腕にたくさんのタトゥーというフルコンボ。日本でそんな雰囲気の店員さんはアパレル以外で見たことがないのでかなり驚きました。たとえスーパーの店員さんであっても自己表現ができ、好きな服装や身なりで職につけるのは良いな〜と。それと同時に自分も将来こんな人になりたい!と思い、とりあえず就職、とりあえず安定した職務に…と考えていた私の中に変化が起き始めました。
③就職活動
同じ仕事ばかりやるのは面白くないという理由で固定のアルバイトをせず、派遣ばかりやっていた人間も遂に人生の道筋と向き合うことになったのが就職活動。既に記載しているように、私は私のことが好きではないので、自己分析というのがとても苦痛でした。まるで自身の愚かさを改めて提示されているような気持ちになり、就職活動以前の段階で躓いていました。
加えて、就職活動を通じて茶髪や派手髪だった友人が黒髪に戻したり、ピアスの穴を塞いだり、黒スーツを買い直したり…という動きが奇妙で怖くてたまりませんでした。義務教育では他者と歩幅を合わせることを善とする一方、就職活動では個性を求められることも多々ある部分にです。あれだけ企業がこちらに個性を求めつつ、皆が揃って黒髪と黒スーツを強要されるのは何故なのかとずっと疑問に思っていました。別に黒髪にしようが黒スーツを着ようが、人間の善悪や仕事の適応性が判断できるわけでもなく、かといって就職活動を乗り切るというイベントとしか思っていない学生にとっては協調性という鎧を纏っただけに過ぎないと考えるからです。
私にとって自己表現というのは過去の嫌な記憶との決別であり、弱い自信を守る武器だと考えています。そんなものを剥げと言われるのであれば、もう何もしたくない。そんな我儘でズルズルと引きずっていた私を支えてくれたのがゼミの先生でした。この方のおかげで、無理して就職活動をすることなく、少し道のりは厳しいものの、新たな挑戦をするきっかけができたのです。
3.Shinatomyをオープンしたきっかけ
きっかけは自分の好きなものを楽しみたい、表現したいという思いと共にそんな自分の姿を見た人に新たな選択肢を与えるきっかけを作りたいと思ったからです。
私にとって人体モチーフというのは、かれこれ10年以上好きでいるものです。「なんでそんなのが好きなの?」と他人に言われても私にとってはずっと好きなもので、気付けば部屋に骨格模型をお迎えするレベルに至りました。その好きという感情を関連アイテムの所持という形に限らず、どうやって表現するかを追求した結果自らが人体モチーフに関するお店を行う形を取った次第です。
またShinatomyを通じて、新たな選択肢を与えるきっかけを作りたいです。義務教育では他者と歩幅を合わせることを善とする一方、就職活動では個性を求められることも多々あります。私自身も就職活動を行うタイミングで上記の壁に当たりました。
元々私の父が個人事業ということもあり、一時的に社会人として擬態すべく自身を偽る必要があるような環境で働くのならば、父のように自分が1番熱量を注ぐことができるもの、それが苦にならないことを仕事にしたいと願い就職から起業へと方向転換しました。
起業も自分の好きを表現するのも、人によってはハードルの高い選択です。私が高校生の時は「大学に進学して卒業後は就職して…」という流れしか頭にありませんでしたが、大学進学後に起業という選択肢があることを知れたおかげで視野も広がり、その結果起業を自ら選びました。
このShinatomyを通じて自分のようになって欲しい、自分と同じ道を歩んでほしいとまでは思いません。それは個人の自由に委ねられるものであり、誰かが強要する必要はないからです。ですが将来を悩む人たち、特にShinatomyがターゲットにしているうちの10代後半〜20代前半の人にとって「こんな選択肢もあるんだ」という、世間に広まっているものとは少し視点の異なった選択肢を提供できるような存在になれたらと思っています。
4.今後のShinatomyに関する思い
人体モチーフという万人受けするジャンルではないからこそ、100人中1人の心に刺さって忘れられないような存在になりたいです。
Shinatomyと聞いて誰もが知っているブランドやショップではなく、知る人ぞ知る世界で「Shinatomyはクールだよね」と言われるようになれば本望です。
無論それに至るまでには認知度も僅かしかありません。なので東京や大阪などの大都市に限らず、地方でのイベントも積極的に参加することでShinatomyの存在を狭いところから広げていけたらと思っています。
また国内に限らず将来的には海外進出も考えています。特にゴシックカルチャーは日本国内よりも海外の方が認知度も好感度も高い傾向にあります。加えて私の友人が海外に住んでおり「私にも買えるようにして〜!待ってるから!」と言ってくれるのも理由の1つです。
国内と国外の両方に対応できる個性派ブランド&ショップとして存在することで、100人のうちの1人を探す範囲を広く展開していきたいです。加えて、今自分が行っている事業を通じて「私は人体モチーフが好きだ」と表現しつつ、将来の方向性に悩む人たちにとって「こんな選択肢もあるんだ」という新たな選択肢を提供したいと思っています。
その実現には少々ジャンルがニッチすぎるかもしれませんが、むしろニッチだからこそ「自分でも何かチャレンジできそう」と思わせられると信じています。
最後に
人体モチーフを通じて好きなものを表現したい、好きなものを楽しみたい。
そんな人たちの1つの支えになれれば幸いです。何卒よろしくお願いいたします。
商品に対するご質問やコラボ依頼、その他連絡事項等ございましたらこちらよりご連絡ください。
通常2,3日営業日以内にお返事いたします。
※1週間経過後も返信がない場合は、大変恐れ入りますが再度ご連絡いただけますと幸いです。